【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第24章 カレシとカノジョ
表情をコロコロと変えて、今度は恥ずかしそうに慌てふためくグレイスを眺めながらその口へとパエリヤを運んでやる。
うんうん、と確かめるように口を動かす様子から、どうやら味はグレイス自身も納得のいくものだったようだ。
「先日のデートでは外食だったからこんな風には出来なかったが、やはりこうして一緒に食べるとよりうまくなるな」
「そ、そうだね…。でも『あーん』されるのって、相手の顔が近くでハッキリ見えるからかな、キスより照れちゃう…。」
「ふむ、そうかもしれないし、あとは慣れの問題かもしれないな。
それにしても本当にうまいな。グレイス、このレシピをオレにも…
いや、グレイスがオレの為に頑張って作ってくれた味を真似するというのも野暮な話か。
グレイス、頼みがある。また時々これを作ってオレに食べさせてくれないか?」
すると、グレイスは口元と、やや赤みのさした頬を手で隠してもごもごとしながら頷いてくれた。
愛情のこもった絶品料理と特別を許された優越感で、オレは腹も心も満たされる最高の昼食を過ごした。