【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第24章 カレシとカノジョ
グレイスからの嬉しすぎる催促に誘われるまま、愛の言葉を交えながら何度も何度も深く、唇も舌も交じわせる。
「グレイス…ちゅ、ちゅぅ…ん、好きだ…」
「んぅ…、ん」
その度に何か言葉を返したそうなグレイスの唇を隙間なく塞ぐ程に、その滑らかで柔らかな温もりを夢中で追いかけ続けた。
そんな貪るようなオレのキスを受け止めてくれているグレイスをよく観察すると、やけに頬が赤いことに気付いて一つの懸念が頭を過り、咄嗟に唇を離した。
「グレイス、大丈夫か? ちゃんと呼吸をしているか?」
「…っは、ふ……こ、きゅぅ…?
ど、だったかな…してなかった、かも…」
やはりそうだったか。
頬に差す赤味がこれまでとは違うものに感じたから早めに確認して正解だったようだ。
「それでは苦しいだろう、いつも通り鼻で呼吸をすれば良いんだ」
「ふぅー…、そっか、そうだよね…。
何か緊張して、ドキドキして、忘れちゃってたみたい?
ふふ、まだ心臓がドキドキしてる」
両眉を下げながら照れくさそうに笑うグレイスの笑顔に、不意に今度はオレがドキリとさせられた。
「そうか、それではグレイスが落ち着くまでしばらくこうしていよう」
そう言ってオレは両手でグレイスを抱え直し、腕の中に収まるようにぎゅっと抱きしめた。
…正直、「グレイスが落ち着くまで」というのは口実で、さっきのキスや笑顔でオレ自身の男の部分が反応してしまっているのを隠したい気持ちが大いにあった。
これだけピュアなグレイスが男のそんな生理現象を知る由もないだろうから、気付かれぬようオレは必死に『ルシス警護隊心得え』をその1から順にひたすらに脳内にて暗唱し続け、何とか自身を落ち着かせられるように注力した。