【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第24章 カレシとカノジョ
頭の中にいくつものクエスチョンマークを飛ばしながらされるがままにしているうちに、蠢く舌に舌を絡めとられていく。
(わ…! イグニスの舌の感触が…!
私のよりだいぶ、分厚い気がする…)
初めてのことにどうしていいかわからず戸惑いつつも、イグニスの舌に応えるように自分のものを添わせていく。
すると、安心したように少々強引だった動きが穏やかになり、二人の口内で ちゅくちゅく、とくぐもった水音を響かせながら唾液を混ぜ合わせるようにゆっくりと舌を纏わせ合い始めた。
(でも不思議…全然、嫌な感じじゃない…。
どきどき、する…それと同時に身体のどこかがぞくぞくするような…何この感覚…)
イグニスから突然に与えられた多過ぎる情報量に頭がくらくらしてきたその頃、ゆっくりと舌が口内から引き出され、唇を離す直前に ちぅ、と下唇を吸われた後、ようやく口元が解放された。
「ぷはっ……いう、にす…いまの、なに…?」
呂律の回っていない言葉を口にしながらうっすらと瞼を上げると、
キスの余韻を残したように薄く唇は開けたままに、ほんのりとイグニスの頬に赤みが差していた。
いつもドキドキさせられるのは私ばかりで、こんな表情のイグニスは珍しいし、どこか色っぽくも見えた。
「今のか? そうだな…
頬にするのが『だいすきのちゅー』、唇を重ねるのが『恋人同士のキス』だとして…」
説明する内容に合わせて、イグニスの男性らしい硬い皮膚を纏った指先が私の頬、唇…と優しく大切そうになぞっていく。
「そして、唇と一緒に舌も重ねるのが…俗に『オトナのキス』と呼ばれているものだ」
イグニスはそう言いながら二人分の唾液がまだ多く残ったそこで指先を湿らせ、そのぬめりで指先を つぷ、と唇の間に滑り込ませてきた。先のキスを再現するように。