【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第24章 カレシとカノジョ
そんな絵に描いたような初々しい恋人同士の日を経た土曜日の朝、オートロックのチャイムに呼ばれて見たインターフォンの画面には、待ちわびていた人の姿があった。
「おはようイグニス、いらっしゃい」
「おはようグレイス。出迎えありがとう」
玄関のチャイムが鳴るとほぼ同時にドアを開けて満面の笑みで挨拶をして、二人並んでリビングへと向かう。
今日は早くも夏を感じさせる気温だったのもあり、イグニスをソファーに案内して、何か飲み物でも…とキッチンに向かおうと身体の向きを変えたところ…
「ようやく二人きりで会えたのに、どこに行くんだ」
急に後ろからイグニスに抱きしめられた。
「え…そ、外暑かっただろうし…イグニスに飲み物出そうかと思って…」
「そうか。気遣いは嬉しいが、まずはしばらくこうしていたい。
…ダメか?」
自分の耳のすぐ後ろで、甘さのたっぷりと乗ったイグニスの声が囁かれて心臓がドキンドキンと大きく跳ねた。
ダメなワケない。声を聞いただけでこんなにも心が騒がしくなるのに。
そんな気持ちを胸にぶるぶると頭を横に振ると、またすぐ後ろでイグニスがふっと笑った気配がして、そのままゆっくりソファーへと一緒に座るように身体を後ろへ引かれる。
ずっと後ろから抱きしめられたままだったので、気付けばイグニスの脚の間に私が座るような形になっていた。