【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第24章 カレシとカノジョ
「イグニス、これ…ありがとう。大切にするね」
店を出たところで改まってグレイスに礼を言われる。
サングラスをかけた彼女の姿は新鮮で、暗すぎないブラウンのフレームは、グレイスの艶やかな黒髪を引き立てているようにも見えた。
柔らかな色合いは、今日のような女性らしい服装を好むグレイスによく合う。
「いや、こちらこそだ。気に入る物があって良かったな。
ブラックのフレームもグレイスの白い肌に映えて良かったが、やはりこっちの色の方が全体的に見てもグレイスの好みに合っていると思うぞ。よく似合ってる」
「本当? なら良かった。
あのね…お店では言えなかったんだけど、こっちの色にしたのには理由があって…
この明るめのブラウンが、イグニスの髪の色に似てるって思ったからなんだ…」
「っ、そう、だったのか」
不覚にも、思いがけないタイミングで思いがけないことを言われて狼狽する。
先程までマスクで隠されていたグレイスの唇が「だから、似合ってるって言ってもらえて良かった」と照れくさそうに、だが間違いなく嬉しそうに言葉を紡ぐのが見える。
また、一般的な女性の背丈のグレイスとは身長差があるからか、隣に立つオレの目線からははにかみながらこちらを見つめるグレイスの上目遣いも見えていた。
「うん。
だからね、イグニスが『マーキングしたい』だなんて言い出した時はびっくりしちゃった。
二人共似たこと考えてるんだなーって…ん!?」