【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第24章 カレシとカノジョ
何かを思いついたイグニスと車で移動した先は、王都城近くの眼鏡屋さんだった。
「連れていきたい所って…ここ?
眼鏡屋さんならさっきのショッピングモールにもいくつか入ってたと思うけど…」
「ここはいつもオレが世話になっている店でな。
今後二人で出掛ける時の為にグレイスにサングラスを選んでもらおうと思ったんだ。
それに、サングラスはグレイスの大事な目にかけるものだから信頼のおける店でみてもらいたい」
「わぁ、そういう理由だったんだ!
イグニスが大切にしているお店に連れて行ってもらえるってすごく嬉しいし、
それに…これからは二人で沢山出掛けられるんだって思ったら余計…何か胸の辺りがぽかぽかしてきた…」
無意識に片手を胸元にあてて感慨に耽る。
ほんの少し前…つい一週間前までは、こんな風に二人で出掛けることも、こじつけた理由もなしに手を繋いだりすることなんて絶対出来ないと思っていた。
「幸せ…」
今日何度目かの感想がぽろりと口をついた。
そんな私の様子を隣で見ていたイグニスがそっと頭を撫でてくれる。
「オレもだ…グレイス。
オレの馴染みの店も、気に入っている店も、景色も、まだ行ったことない場所も、これからは全部お前と一緒に行きたい。
こういったことを口に出して伝えられるようになっただけでもどれだけ幸せなことか…
恋人同士としての思い出、沢山作ろうな」
二人して同じ気持ちを抱いて、
イグニスからの愛情がこもった言葉、笑顔、手の温もり全てが心地良く胸を満たして、彼の瞳を見つめて私は大きく頷いた。