【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第24章 カレシとカノジョ
「ん、これは…。
グレイス、このグラスはどうだ?」
そう言ってイグニスが指さしたのは、キラキラと輝きを内包して星空をイメージしたデザインのペアグラスだった。
手に取って近くで見ると、ワイングラスの柄をなくしたような丸みを帯びたコロンとした形がとても可愛らしい。
全体に大小様々な形の金色の星が散りばめられ、グラスの上半分は透明だけど、底に向かっていくにつれて紫が混じったような奥行きのある青に色付けられている。
「わぁ綺麗…! ねぇ、これ、この間一緒に見た星空みたいだね」
二人の最初の記念日にもなった、まだ記憶に新しいあの晩のことに想いを巡らせながらそっと呟けば、イグニスも共感したかのように微笑んでくれた。
「あぁ、オレもそう思ってな。
これがあれば、いつでもグレイスと初めてキスした時のことを思い出せそうだ」
「いやちょっと何言って…あ!」
「…っと、危ない。
こらグレイス、しっかり持ってないとダメだろう」
あ、あああ危なかった!
イグニスがサラッとキスがどうとか言うからびっくりしてグラスを取り落としそうになっちゃった…。
咄嗟にイグニスも手を伸ばしてグラスが落ちないように支えてくれたのには感謝だけど…でも!
「い、イグニスが突然あんなこと言うからでしょ…!」