【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第24章 カレシとカノジョ
「今日の目当ては揃いのグラスだったな。
生活雑貨は確か3階に多く入っているはずだ」
さらりとそう言ってエスコートしてくれるイグニスについていく。
広い店内を慣れた様子でエスカレーターまで連れて行ってくれたり、商品の売り場に詳しかったり…
キッチン用品も沢山ありそうだから、イグニスは普段からよくここに来てるのかな。
そんなことをぼんやり考えながら、気になるお店があれば二人で一緒に店内をちょこちょこと覗いていく。
時々手に取って商品を見たい時は繋いだ手を解くこともあるけれど、それが終わればまたすぐに自然とお互い手を取り合った。
そのタイミングでちら、とイグニスの顔を見上げれば、またあの大好きな笑顔と目が合って…少し照れ臭いけど、本当に本当に
(…幸せだな…)
そう、心から思った。
FFワールドであったような、手を繋ぐ理由をいちいち口にする必要も、
一度手を離してしまったらもう触れられなくなるんじゃないかという不安も焦燥感もない今が、とても幸せ。
好きだよ、って気持ちを込めて、きゅっとイグニスの手を握りしめた。