【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第24章 カレシとカノジョ
やや薄暗い立体駐車場から店内へと入ると、
大きなアーチ天井からしっかりと差し込むトップライトと広々とした通路両側にずらりと並ぶお店が目に入る。
店内の奥行きはとても広くて、端まで見渡せないくらい。
「わー…久しぶりに来たけど、相変わらずお店沢山入ってるよねぇ。
どこから回ろっか」
ここは映画館やレストランフロア、地下の食料品販売フロア含め全8階建てのショッピングモール。
普通の高校生ならこういう所は学校帰りや休日に気軽に寄ったりすることもあるんだろうけど、あいにくそんな経験がほとんどない私は、広すぎて多すぎる店舗を前にキョロキョロしてしまう。
そんな私の様子を察してか、イグニスが
「ゆっくり眺めながら見ていけばいいさ。焦らなくても、時間は沢山あるからな」と春色の翠の瞳を細めて微笑みかけてくれる。
あぁ…イグニスの、一目で作りモノじゃないとわかる、彼自身の優しさが滲み出ているこの柔らかな笑みと、ぽかぽかのお日様に包まれるような温かみの溢れる声が本当に大好き。
他にも大きくなった手とか逞しい背中とか、好きなところは沢山あるんだけど、小さな頃からずっと傍にあったこの彼自身の持つ温かさは特別私の心に馴染んで和ませてくれる。
「うん…そうだね、ありがとう。
お買い物長くなっても、一緒に付き合ってくれる?」
「もちろんだ」