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【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)

第24章 カレシとカノジョ


「あぁ、もちろんだ。
オレの気持ちを受け入れてくれたグレイスに、ほんの僅かな後悔もさせないようにする。

オレを信じてくれ」

しっかりと見つめあいながらそう伝えれば、安心したようにオレの腰に両腕を回して身体を預け、微笑みながら頷くグレイスが目に入る。
その笑顔に頷き返し、オレも腕に力をいれぎゅっと抱きしめた。鼻腔をくすぐるどこか甘さを含むグレイスのニオイをゆっくりと、幸福に包まれながら吸い込んだ。


しばらくして。

「ねぇ…イグニス、メッセージ読んで…?
何だか恥ずかしくて落ち着かないの…」

グレイスにカードの開封を促される。
それもそうかと思いつつもグレイスの温もりを離したくなくて、グレイスの肩に腕を回したままメッセージカードの封を開けた。
そこにはこう書いてあった。


『イグニスへ


これまで、何度も何度も私へ想いを伝えてくれてありがとう

私、イグニスのおかげで、今すごく幸せだよ

これからは恋人同士の二人で、ずっと一緒にいようね


大好きだよ


グレイス』




メッセージを読んだ瞬間、目頭がじわじわと熱くなって慌てて細かい瞬きを何度も繰り返す。

かつては愛する女性の意志を尊重しようと何度も諦めようとしたこの想い。
お互い涙ながらに無理矢理気持ちを抑え込んだりもした。

それでも消せない火を互いの胸に灯したまま、オレの願いを何度も伝え、その度にグレイスを悩ませてしまった時期もあった。


だからこそグレイスに『今が幸せ』と言ってもらえることがこの上なく嬉しくて。


やや湿った気のある鼻を一回 ずっ、とすすってから腕の中のグレイスを見ると、メッセージを読まれるのに照れてか、オレの胸に顔を埋めるように隠し、目線を下に向けていた。

その様子に三年前にもメッセージカードをもらった時の様子を思い出し、
その時とは比べ物にならないくらい心理的にも物理的にもぐっと近付いた距離感に、大きく口と頬が緩む。

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