【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第24章 カレシとカノジョ
去年の今頃、叶いはしないがお互いを想う気持ちは同じだと通じあって以降、
グレイスがこうして照れたり顔を赤らめたりするのはオレへの気持ちがあるからこそだと思えるようになった。
だからその反応が見たくて、時々わざとグレイスを慌てふためかせるようなことをしたくなってしまう。
自分にこんな一面があったのは意外だが、これも一種の独占欲の現れだろうか。
「っ、も~! 顔あっつ…これじゃいつまで経ってもお出掛け出来ないじゃん…
…あ、そうだ。せっかくだからコレ、今渡しておく」
眉尻を下げた表情で手でパタパタと顔を扇ぎながら、さっきオレが靴箱の上に置いた荷物にグレイスが手を伸ばす。
荷物、というのはバッグの他に、よくデパートに入っている有名ブランドのショッパーもあったからだ。
トレードマークのポニーデザインが施された紺色の紙袋をだけを手に取り、
「これ、イグニスへのプレゼントなの。
受け取って」
グレイスは頬に赤みを残しつつ、その紙袋を微笑みながら差し出してきた。
「オレにか? ありがとう、嬉しいよ。
でもどうしてだ?」
「この間のFFワールドで、地面に座る時イグニスのハンカチ敷いてくれたでしょ?
だからそのお返しに、新しいハンカチだよ。
それと…メッセージカードも入ってるから」
「わざわざ買いにいってくれたのか。
気にしなくて良いのに…ありがとう。
それにメッセージまで。今読んでも良いか?」
「えっ、今…?
い、いいけど…」