【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第24章 カレシとカノジョ
少し不思議そうな顔をするグレイスから玄関ドアの持ち手を取り、二人一緒に玄関に入って後ろ手でカチリと鍵をかける。
くるりと玄関ドアとは反対の方向へと目線を向けたグレイスを後ろからぎゅっと抱き締めると、予想外だと言わんばかりに驚いたグレイスの声が聞こえてくる。
「…っわ!?!?
な、何イグニス!?」
「何って…ハグだが」
「いや、そういうことじゃなくて…!」
あわあわとするその反応を愛しく思いながら、グレイスの手にある荷物を取って靴箱の上に置いてやり、グレイスの身体を自分の方に向かせる。
「出掛ける前に、こうして抱き締めてグレイスの温もりを感じたいんだ。
…いいだろう?」
グレイスの瞳を覗き込んでそう囁けば、かぁっと頬を赤らめる初々しい反応のグレイスが目に入る。
一昨日オレに対して不意討ちのキスを落としていった愛しい女性と同一人物のはずなのに。
「また随分と初々しい反応だな?
この間はグレイスからオレにおやすみのキスを送ってくれたのに」
「あっ…あれは…!
イグニスと恋人同士になれたのが嬉しかったのと、別れ際が寂しくて気持ちが昂ったのもあって…
…って、そんなこと言わせないでよ!!」