【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第23章 夢
玄関ドアを勢いよく閉めた後、ローファーを揃えることもせず脱ぎ捨てリビングまでバタバタと走る。
パチリと電気をつけて、ドキドキと煩い心臓を服の上から鷲掴むようにしながら何度も深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。
(イグニスと恋人同士になれて、お父さんにも認められて、初めてのキスがこの上ないくらい素敵で、デートの予定が嬉し過ぎて…
最後、勢いでしちゃったけど…引いてなかったかな…
だ、大丈夫だよね…? だって…恋人同士なんだもん…!)
「はっ…はぁ……あ。あぁ、そうだ、イグニスと付き合うことになれたってヴァニラに電話しなくちゃ」
大きく息を吐いて身体の強張りを落ち着かせた後、鞄からスマートフォンを取り出して履歴から彼女の名前を探す。
3コール目辺りで呼び出し音がヴァニラの明るい声に切り替わった。
「はいはーい。
どうしたのグレイス、何かあった?」
「ふふ…今日はヴァニラに良い報告があってね…
ついに、イグニスと付き合うことになりましたー!!」
「…えっ。
えぇぇえぇっ!?!?
グレイス、そ、それ本当!?」
「当たり前でしょ!?
私がこんな虚しくなる嘘ついたとして、何が楽しいの!?」
「あ、そうだよね。
良かったねグレイス! おめでとう!」
「うん、ありがとう!
これからは恋愛の先輩として色々教えてね!
早速明後日はデートなんだ~」
「任せて、何でも聞いてよ!
初デート楽しみだね! でもグレイス、いくらルシスの王女だからって全身真っ黒の服でとか行かないでよ?」