【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第23章 夢
「あぁ…もちろんだ。
グレイス、愛してる」
極めてシンプルながらも、その分ストレートにイグニスの想いを届けてくれる言葉に、一気に目頭が熱くなる。
「私も…イグニスのこと…世界で一番、愛してる…」
「嬉しいよ、グレイス。
グレイスからそう言ってもらえること、本当に幸せだ…」
眉尻を下げながら嬉しそうに微笑み、背中に回していた手をそっと私の頬へと添える。
感情の昂りから火照るように熱をもったそこは、イグニスの手の感覚をひんやりと受け止め、彼のその仕草にまた一つ、心臓がトクンと跳ねた。
幸せと、ときめきと、ドキドキとで胸がいっぱいになる。悲しい感情なんて一つもないのに、身体の中心が沸き上がるように熱くなって、ひとりでに涙がじんわりと滲む。
そんな私に、愛しいものを見つめるような優しい笑顔を向けながら、イグニスは言葉を続けた。
「…なぁグレイス、結婚式で行う誓いのキスには、誓った言葉を封じ込め、永遠のものとする、という意味があるのを知っているか?
グレイス、オレはここに見える沢山の星の光の前で…
何百万年と続く星の光のように、グレイスを想うオレの気持ちは永遠に変わらないと約束する。
その誓いをここで…、グレイスの唇に口付けて契っても良いか…?」
…誓いのキスに、そんな意味合いがあるなんて知らなかった。
愛の誓いを封じ込めて永遠にだなんて…とても素敵なお話。
イグニスだけをこの先もずっと愛し続けるという気持ちは、もちろん私も同じだから返事は迷わなかった。
ただ、こみ上がった涙につられて声が震えないように、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
「うん…。して…ほしい。
私も、同じ気持ちだから」
「ありがとう…。
では、目を閉じてくれ…」