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【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)

第23章 夢


「はぁぁぁ…この状態で歩くのすっごく緊張した…。
ねぇ、もうこの目を覆っている手、離してくれる…?」

「あぁ、もちろんだ。では外すぞ。
3、2、1…

…どうだ? 城から見る景色も悪くはないが、ここは一味違うだろう?」

イグニスの声に合わせて、怖さからぎゅ、と瞑っていた目をそろり開けると…

まさに。
目を開けたその先には、光の粒をばら撒いたようにキラキラと輝くインソムニアの夜景が足元一面に広がっていた。

もちろんお城からも、今のマンションからも夜景は見える。
でも、如何せんどちらも市街地なのでそこかしこに企業のロゴ看板やら大型ヴィジョンに映し出される広告等が見えてしまってイマイチ現実と境が切り離せない一面があるのだけれど…、ここは全く違う。

郊外まで車を走らせてくれたのと、
どうやらここは小高い丘か山の中腹なのか、随分と高いところまで登ってきているようで、遠くから眺めるようになった街の景色は様々なノイズを遠く置き去りにして、ただただその闇夜に光る美しさだけを露わにしていた。

「うん…全然、違う…。

本当に、別世界みたいな景色…」

目隠しを外された私の姿勢が安定したのを感じたのか、先程よりも強く肩を引かれ、抱き寄せられた状態でイグニスと二人、遠くに広がる夜景を眺める。

毎日見ているインソムニアの景色と印象が違い過ぎて、夢か幻でも見ているのではないかと錯覚しそうになるけれど、
ずっと前から感じている左肩に添えられたイグニスの手の温もりが、これはさっきまでの一つながりの現実なのだと教えてくれる。

足元の景色の中には、ここへ来る前に通ってきた高速道路だろうか、左右の車線それぞれに沢山の車のヘッドライトとテールランプの色が流れているのが見える。
その途切れることなく続く光量は、まるでそこに光の川が流れているかのように見えた。

「こんな景色、見たことない…

ずっと見ていられそう…」

「そんなに気に入ってもらえて、オレも連れてきた甲斐があったな。

足元に広がるこの夜景ももちろん綺麗なんだが…ここは、もう一つ見所があるんだ」

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