【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第5章 衝撃
ジェイクの目は興奮と悲しみで血走っており、
全く隠す気のない彼の剥き出しにされた憎悪に戸惑い、ただひたすら彼の訴えを聞いていた。
「おい! お前達何騒いでる!?」
騒ぎに気付いた教師が間に入ってきた。
周りにいたクラスメイト達からも話を聞いた教師はジェイクをひどく叱責し、母親を呼びだそうとしていたが「そこまではいい。もうこんなこと言わないでくれればそれでいい」と止めた。
ジェイクも傷付いている。
当然人生のパートナーを突然失ったジェイクの母親も同じ気持ち、いや、この先の将来のことを考えればもっと複雑な胸中なのだろうと思った。
私だっていつも可愛がってくれたラケルを亡くしている。
ジェイクの気持ちは痛い程わかる。
ましてやジェイクの父親は仕事とはいえ他人の子どもの為に命を落としたのだ。その原因ともなった家族にやり場のない怒りをぶつけたくなるのも一応は理解できる。
…それをやって良いかどうかは別問題だとは思うけれど。
正直、ノクトお兄ちゃんの容態が心配で心配でずっと神経を張り詰めている今の私には、言い返したり言い争うような気力はなかった。
だからこの話を早々に切り上げ、帰宅することを希望した。