【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第23章 夢
「高校ともなると、問題集なんかも増えて荷物が重くなるからな。
こういうものも、武器召喚みたいに取り出せれば良いのにな」
「………え。待って。
イグニス、その発想天才過ぎない?
え、練習すれば何でも召喚出来るようになるのかな?
え、それってすごすぎない? 便利過ぎない?
ちょっと本気でやってみようかな…」
冗談のつもりで言ったことに、目を真ん丸にして感想を口にするグレイス。無限の可能性に心ときめかせる冒険者みたいな顔になっているんだが…
「いや…荷物くらいならオレが持つから、どうかそんなことにグレイスの大事な魔力を消費しないでくれ、頼む」
「えー!!!」
オレの制止によって途端にガッカリした表情に変わる。
確かに便利だろうとは思うが、魔力は無限ではないし、何より使い過ぎれば使用者の身体に負担がかかるからオレが気が気じゃないと説得して、何とか思い留まらせる。
「ちぇー、わかったよぅ。
超名案だと思ったのにー」
「わかってくれてありがとう。
せっかく恋人同士になれたんだ、今まで以上にオレに甘えてくれていいから。安易に魔力に頼らないでくれ。
グレイスは魔力が使えるこの国の特別な王女でもあるが、
それ以前にオレにとっての大切なお姫様なんだからな」
そこまで言ったところでちょうど車に到着し、助手席のドアを開けてやれば頬を赤く染めたグレイスの顔がよく見える。
俗に言うこういうキザったらしいことを言われて顔を引きつらせたり、本気で嫌がる女性もいるらしいが、グレイスは照れこそするものの内心嬉しそうに受け止めている節があるので、言い甲斐がある。
「…うん。ありがとう、イグニス…。
でも、イグニスもさ…頑張り過ぎて身体無理させちゃダメだよ…?」
「あぁ、いつもオレのことも労わってくれてありがとう。
その言葉だけで十分元気になれる」
「もー、いつもそう言う!
元気になったつもりだけじゃなくて、ちゃんと休んでよね!?」
「はは、本当にそうなんだから良いじゃないか」