【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第23章 夢
「ルシス王家の人間として、ここで生きていくということか。
それも十分に立派な決意だとは思うが…これはこれで苦労の多い道だぞ。
本当に、それで良いのか?」
当然それは覚悟の上。
それに、ここからが本題。
「もちろんです。
何度も自分に問い、『こうしたい』と私が決めました。
また、その道を選ぶのと合わせて…
幼い頃から今もずっと私の心の支えとなってくれているイグニスを、私の人生のパートナーとしてお認めいただきたく存じます」
その瞬間、スキエンティアの顔がサッと青くなった。前触れなくこんな話をして申し訳ない…。
「イグニスをか。
そうか。グレイス王女の気持ちはよくわかった。
イグニス、お前から何か言いたいことはあるか?」
「はい。
まずは、幼少のみぎりよりノクティス王子のお側付きとしての役目をいただいていたにも関わらず、グレイス王女とこのように特別な関係を希望するという過分な願いを抱いてしまったことをお詫び申し上げます」
「ふむ…。まず最初に確認したいのだが、お前達二人はすでに恋人関係になって久しいのか?」
「いいえ、そうではございません。
私がグレイス王女に気持ちを伝えたのは約1年程前のことになりますが、それにお応えいただけるとお返事を頂戴したのは昨日のことです」
「なるほどな。グレイス王女のこの心境の変化には、少なからずお前の影響があったということか」
「恐れ多くもその可能性は否定いたしません」
「わかった。続けなさい」
「ありがとうございます。
何度も、自分の立場を鑑みて、ノクティス王子のお側付きとしての職務に専念すべきだとグレイス王女への気持ちを抑え込もうとしてきました。
しかし、グレイス王女ご自身がお辛い状況にあっても尚、
他者を思いやる心を持ち、努力家で、学童期から将来をしっかりと見据える王女としての責任感と聡明さを近くで見ていたからこそ、
この心優しい御人をお支えしたいという気持ちが私の中からなくなることはありませんでした」