【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第23章 夢
玉座の間には予定していた通りお父さん…じゃなくて、ここではレギス陛下、そしてスキエンティアの姿があった。
緊張のあまりふらつきそうになる脚を何とか気力で保たせ階段を上がり、玉座正面の開けた場所まで進み、一礼する。
「レギス陛下、本日はご多忙の中お時間をくださり誠にありがとうございます」
「グレイス王女からの急ぎの要望であったからな。それで、今日はどのような話だ?」
「はい。以前レギス陛下に『王女として進むべき道を模索しなさい』と問われた件について考えを決めてまいりましたので、そのご報告に」
「その件か。
では早速、どんな道を選んだのか聞かせてもらおう」
玉座に深く座り直すレギス陛下を見て、こちらも一つ深呼吸をつく。
そんな呼吸音すら聞こえてしまいそうなくらい日常とは遠く切り離された静寂にさらに緊張を煽られ、じとりと嫌な汗が背中を伝うのがわかった。
それでも止める訳にはいかないと自分を奮い立たせる。
「はい。約一年前にレギス陛下とお話しした際、
私自分の身を帝国へ投じて、ルシスの未来を守る…
それが私に出来る最善の役目だと思っておりました。
ですが、その案に対してはレギス陛下も、兄であるノクティス王子からも『再考すべき』とのお返事でした」
「ほぅ。ノクティス王子もか」
「左様です。
そこから、私の一番身近で大切な人達が喜ばない選択肢を選ぶのはベストとは言えないと思い、様々な可能性を検討致しました。
その中で私は、ルシスに身を置き、自国の力でもって帝国との停戦ないしは終戦への道を切り開くために尽力する覚悟を決めました。
帝国に下ってそれで終わりにするのではなく、
私に宿る王家の力や、これまで何世代にも渡って紡いできた王家の人間だけが持つ繋がり、知見、その他全てをもってルシスの為に尽力し続ける。
そのような形でもって、敬愛する父であり、レギス陛下がおっしゃる『民を守ってこその王』の理念を私も継承し、実現したいと決めました」