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【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)

第23章 夢


--翌日、夕方。グレイスの部屋(城)--

「…よし。これで良いかな」

学校から急いで帰ってきて、お城のクローゼットにある黒のワンピースとジャケットに着替え、髪は簡単にハーフアップにまとめる。

学校指定のハイソックスは結構最初の方に脱いだものの、まだちょっと足に跡が残ってる…ストッキング履いてるから傍目にはわかんない…よね?
…お願いだから早く跡消えて!!

ゴシゴシとスネを擦りながら時計を見ると、時刻は16時半を示していた。

「そろそろ向かおうかな…」

見慣れたお城の廊下を、今まで持ち合わせたことのない緊張感を抱えながら進むと、待ち合わせ場所には数人の警護隊員の中に、すでにイグニスの姿もあった。

持ち前の長くスマートな脚が際立つ細身の3ピースのブラックスーツをびしりと着こなし、センターに見事なディンプルが刻まれたネクタイを締めているイグニスは、遠目にもそれはそれは絵になっていた。

周りを気にせず大きな声で「似合ってる! 格好良い! モデルさんみたい!!」と声を出したくなる衝動をグッと堪え、あまり注目を集めないように足早にイグニスに近付く。

よくよく考えたら、この場で待つ為だけでも制服のまま来なくて良かった。玉座の間の前室を学生服でうろうろしてたらそれだけで他の待ち合いの人にジロジロ見られそう。
このタイミングではほんの僅かでも気持ちを騒めかせたくないから着替えてきて正解だ。

「ごめんねイグニス、お待たせ」

「いや、オレもさっき来たところだ。

…グレイス、公務や式典で何度も見てはいるが…
やはりかしこまった服装も似合うな」

「あ…ありがとう…。

イグニスも、今日のスーツ一段と似合ってるよ」

「そうか。グレイスにそう言われると自信になるな」

「…イグニス、すごいいつも通りじゃん。
全然緊張してないの?」

「いや、そんなことはない。いつも通り振る舞っているだけだ。
これでも結構緊張している」

お互い声を潜めながら言葉を交わす。
…うーーーん、緊張、するよねぇ…。
場所が玉座の間ってのがまた余計に…はぁ。

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