【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第23章 夢
「そ、そう…わかった。話出来るなら、出来る限り早い方が良いよね。
とりあえず試しに執務室に電話かけてみるよ」
お父さんの執務室の番号を検索し、発信ボタンを押し、スマートフォンを耳にあてる。
すると、わずかなコール音の後に、品の良い男性の声が聞こえてきた、スキエンティア…さん(今更)、だ。
「こんばんは、スキエンティア。グレイスです。
今お父さんと一緒にいる?
もし代われるようだったら電話を代わってほしいんだけど」
「これはこれはグレイス王女。
えぇ、いらっしゃいますよ。今お取次ぎ致しましょう」
「グレイスか。珍しいな電話なんて。どうかしたのか」
「あ、お父さん。お仕事中にごめんなさい。
あのね、どうしてもお父さんに直接会ってお話ししたいことがあるの。
近いうちに、短くても良いから時間を作ってくれないかな?
明日でも、明後日でも、早いなら早い方が嬉しい」
「おやおや、それはまた随分と急なリクエストだな。
少し待ってくれ。スキエンティア、私のスケジュールを…
…ふむ、短い時間でも、ということなら明日の17時から15分だけ時間が空いているが、本当にこんな短い時間でも良いのか?」
「明日の17時から、15分…」
イグニスの目を見ながら、言われた時刻を口に出して復唱すると、『それで良い』と言うように頷く顔が見えた。
「ありがとう、それで大丈夫。
場所は、どこに行けば良い? 玉座の間?」
「あぁ、謁見の合間の時間でな、悪いがそこで頼めるか。
グレイスの個人的な話ということなら、その時だけは人払いをしようか」
「うん、それはお願いしたいな。
あ、でも、出来ればスキエンティアは一緒に話を聞いてほしい。
あと…明日は、イグニスも一緒に…行くから」
「ほぅ? そうなのか。どんな話か気になるな」
「そ、それは、明日会った時にちゃんと言うから!」
「ははは、わかったよ。ではまた明日。気を付けて来るんだぞ」
「ありがとう、お父さんもお仕事頑張ってね。それじゃ」