【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第23章 夢
「はは…グレイスにこんなことを言ってもらえる日が来るなんて、本当に夢みたいだ…」
私の手の中にある眼鏡をそっと摘み上げてソファー前のローテーブルに置くと、またぎゅっと抱きしめながらイグニスがキスをしてくる。
さすがにしすぎじゃない? と思いつつも、この状況に昔の記憶が蘇る。
「こうやってイグニスが『だいすきのちゅー』たっくさんしてきたこと、前にもあったね。覚えてる?」
「もちろんだ。グレイスがオレにブルーローズのメッセージカードをくれた時だろう」
「そうそう。あの時…一瞬『アレ? これもしかして希望アリ?』って期待したのに、散々キスしといて結局は私のこと妹扱いするんだもんなぁ…さすがにあれは心折れたよ…」
「それはもう…本当にすまなかったとしか言いようがない…。
あれからもう三年以上経つのか…」
「うん…あれこれ拗れて、いっぱい遠回り、しちゃったね」
「だが、その分お互いの気持ちの強さを確かめる時間にもなった。
どんな障害があっても、オレがグレイスを好きだという想いも、
グレイスがオレを好きだという想いも無くすことは出来ないとよくわかった。
だから、この先周りがどんなことを言ってこようが、この選択は間違いじゃないんだと自信を持って言える。
そうだろう?」
「…うん」
「ありがとう。
これから一生かけて、毎日たっぷりとグレイスに愛を伝えさせてくれ。…ちゅっ」
「い、一生ってそんな…ぷ、ぷ、ぷろぽーずみたいな…」
プロポーズ。長く愛情を重ね合った恋人達がその経緯の先に行うこと。図々しくもそんな言葉を口に出し、自分で照れた。
「ん? 何を今更…。グレイスだけを愛するなんてことはオレの中でずっと前から決まっていたことだ。
グレイスの気持ちがオレにある限り、一生大切にするに決まっているじゃないか。
…ま、そもそも他の男に余所見させる気もさらさらないがな」