【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第23章 夢
「そうなのか。どんなことだ? 何でも聞いてくれ」
真正面に向き合って、きちんと目を見てそう答えてくれるイグニスから誠実さがひしひしと伝わってくる。
(あぁ…こういう実直で真面目なところも好きなんだよなぁ…)
と横道に逸れそうな思考はちょっと置いといて…
「じゃあ、お言葉に甘えて…
あのさ…もしこのまま私とイグニスが恋人同士になったらさ…私達のこと何も知らないくせに勝手に心無いこと言う人いると思うんだ。
『王子のお側付きでありながら王女に手を出すなどなんて不謹慎な、ふしだらな』とか、
『本来なら王女を嗜め、しかるべき結婚相手を勧める立場であるはずなのに』とかさ…」
「まぁ、いるだろうな。
色々言われるという意味ではグレイスも同じだと思うが」
「でしょう? 私は仮に言われるとしても、面と向かって言われることはないだろうけど、イグニスは違うかもしれないからさ…。
こんなにお互い悩んで葛藤した上での結果なのに…イグニス何にも悪いことしてないのにそんなこと言われるのイヤじゃないかな…って」
「ふっ、そんなこと、気にも留めるものか。
グレイスの立場や使命ごと背負う覚悟はとうに出来ている。
気になっていたのはそれだけか?」
心配事を軽く笑い飛ばすように微笑みかけてくれるイグニスにほっとしながらも、慌ててもう一つの確認事項を口にする。
「ありがとう…あ、あともう一個! こっちのが大変かも!
えと…その…、私、今までイグニスへの気持ちを、言葉でも態度でも自分からは伝えないようにしてきたけど、それ…実は、すっごく我慢して抑え込んでたの。
本当は、一年前に渡したネックレスみたいに付き合ってもないのに『ずっと着けてて』とか言っちゃうくらい独占欲強いし、
もっとずっと一緒にいたいって、いつもいつも思ってた。
だから、きっとすっごい愛情重たい彼女になっちゃうと思うけど大丈夫!?」
「何だ、そんなこと…。
グレイスの愛情をぶつけてもらえるなら本望だし、グレイスにならどれだけでも振り回されたい。
それに何より…きっとオレの愛の方が重い。
だから安心しろ」