【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第23章 夢
「グレイス…。
オレが女性として大切にしたいと思うのも、
感情が溢れ出してどうしようもなくなる程好きなのも、
グレイス、お前だけだ。
世界で一番、愛している」
少しだけイグニスが私を抱きしめる腕の力を緩めて、一心に私の瞳を見つめながら、目の前で愛の言葉を伝えてくれる。
少女漫画のワンシーンみたいな状況に、嬉しさと恥ずかしさから心臓が痛いくらいドキドキしてるし、耳まで熱いって感覚があるけれど、
もうこれからはイグニスからの愛情をほんの少しも取りこぼしたくないし、何より私自身もこれからはイグニスに素直に気持ちを伝えたくて、必死に言葉を紡ぐ。
「わ、私も…イグニスのことだけ、ずっと…ずぅっと前から好き…。
もちろん、これから先もイグニスのことだけ見つめてるから…。
好きだよ、愛してる…」
「ありがとう、グレイス…」
目の前のイグニスの顔が、くしゃりと破顔したように柔らかに…そしてこれまで見てきた中で、圧倒的一番に幸せそうなものに変わる。
その表情にきゅっ、と胸の柔らかいところを掴まれたような気がして、鼻の奥がツンと痛くなった。
(わ…どうしよ、幸せ過ぎて泣きそう…)
「幸せ…」
咄嗟にイグニスの胸へ顔を埋め、
確実に今の気持ちを伝えたくて、シンプルにそう一言だけ伝える。
「あぁ…、
オレも、今、今まで生きてきた中で一番、幸せだ」
感情の昂りからか、小刻みに震えているイグニスの声が聞こえてきた。
イグニスも同じ気持ちでいてくれている、
こんなにもなる程…私が気持ちに応えたことを喜んでくれているんだってことが伝わってきて、
待たせてしまって申し訳なく思う気持ちと、
どれだけ自分が愛されているのかが痛い程分からされて。
溢れ出る感情のまま、「好き」とか「ありがとう」とかの言葉を呟きながら、気付けば私はイグニスのシャツを涙で濡らしていた。