【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第23章 夢
「私はやっぱり…
イグニスのことが好き。大好き。
でもね…、ルシスのことも大事なの。
だから、両方諦めない。
イグニスとの未来も、ルシスの明るい未来も、両方手に入れるってそう決めたの」
「………グレイス、それは…」
…頭が真っ白になる…とは、こういうことか。
自分が期待した答えが耳に届いたような気がして、脳みそが反射的に『都合よく解釈するな』と思考に強烈なブレーキをかけ、続きの言葉を発する事ができない。
「うん。従者としてでもなく、お兄ちゃん役としてでもなく、
私の恋人として、この先ずっと私と一緒にいてほしい」
僅かな気の迷いも感じさせないくらいハッキリとそう告げるグレイスのにっこりと微笑む笑顔が、これは勘違いではないと教えてくれた。
「グレイス…ッ!!」
溢れ出る感情の勢いそのまま、グレイスを腕に閉じ込め掻き抱いた。
その勢いにグレイスの身体が微かにたじろぐような反応を見せたがそれはほんの一瞬のことで、
そのすぐ後にグレイスもオレの背中へぎゅっと腕を回してくれた。
「私…花火の後、イグニスからの気持ちを聞いて、自分には覚悟が足りないんだって身に染みて思ったの。
自分で未来を作って、変えていく覚悟を持つ。
ルシスに残って、イグニスと一緒に世界と歴史を変える努力をし続ける勇気と覚悟を持つんだって…そう決めたの。
だからね、イグニス…
同じ夢を、あなたと…二人で一緒に叶えたい。
その為には沢山の努力も苦労もあるだろうけど…イグニスと一緒なら、きっと出来る気がする。
やっぱり私には『あなたしかいない』、だよ」
昔、一輪のブルーローズに託して伝えられたその言葉に、特別な想いを込めてくれていたことが暗に伝わってきて胸がカッと熱くなる。
「あぁ…オレにとっても…
こんなにも熱い想いを抱かせてくれるのは、グレイスだけだ…!」