【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第23章 夢
翌日、パーカーを無地の紙袋に入れてから予定通りの時間にグレイスの部屋を訪れると、制服を身に纏ったグレイスが出迎えてくれた。
「いらっしゃい、イグニス。どうぞ上がって」
「あぁ、ありがとう。
そういえば、グレイスが高校に上がってから初めて制服姿を見たな。中学とはスカーフの色が違うのか」
「そうそう、中学はセーラー襟と同じ紺色だけど、高校は綺麗な赤に変わるの。
このワンポイントだけでも大分雰囲気違って見えるよね」
「そうだな、全体の印象が随分可愛らしくなったな。グレイスによく似合ってる」
「えへへ…ありがとう。
あ、ソファー座ってて。
外、暑かったよね。冷たいお茶で良ければ飲む?」
「あぁ、助かるよ。気を遣わせて悪いな」
「どういたしまして。
はい、お待たせ」
礼を言いながらグラスを受け取って口を付ける。
いつも通りのグレイスに少々拍子抜けしながらも、結論を考えている途中ならこんなものか? とこちらも特に言及することはせず自然に接する。
「ところでイグニス、随分大きな荷物持ってるね。
渡したい物って、それ?」
グレイスとは反対側のオレの足元にある紙袋を指さして興味ありげに尋ねる。
「あぁ、そうだ。中身が何かわかるか?」
「えぇ~? その大きさだと、いつものパイケーキではないよね?
んー…わかんないなぁ…
…あ。まさか、今度のお父さんのお誕生日までにやらなきゃいけないリストと、それに必要なものが入ってるとか?」
「残念、ハズレだ。
ほら、自分で開けて確認してみろ」
「違うかぁ~。
うん、わかった。正解は何かなー…
………んっ?
あれ、これ……もしかして…」