【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第22章 FINAL FANTASYワールド
駐車場へと向かい、朝来たメンバーに別れる。
「じゃ、またな」
「今日は誘ってくれてありがとう! またねー!」
「おう」
「うん、グラディオもイリスもまったねー!」
「私も楽しかったよ、またね」
「気を付けて帰るんだぞ」
車に戻り、今朝と同じように助手席のドアを開けてやると、オレを見つめる瞳と、「ありがとう」という言葉に、朝よりも熱が籠っているように感じられてドキリとさせられた。
「帰りは先にプロンプトの家に寄っていく。
…ノクト、寝ても良いが、マンションに着いたらちゃんと起きるんだぞ」
「はーい、お願いしまーす!」
「おー…着いたら起こしてくれ」
一日出歩いて疲れを溜めたノクトが出発して間もなく夢の世界に落ちそうになるのを隣にいるプロンプトがあれこれ話しかけて引き留めてくれている。
帰路についてしばらくして赤信号に引っかかり、ふと隣のグレイスを見ると、
何とも幸せそうな顔をして土産屋の買い物袋の中を覗いているのが気になった。
まだ信号が赤なのを確認して、軽く助手席に乗り出すようにグレイスに身を寄せて聞いてみる。
「随分嬉しそうな顔をして見ているじゃないか。
何がそんなに気に入ったんだ?」
「…ぅわっ!? び、びっくりした…!!
え、えっと、お父さんへのお土産とか、文房具とか…あと…
い、色々…全部だよ、全部!」
余程集中して見ていたのか、隣へ身を乗り出していたオレの存在に気付いていなかったグレイスは驚いたはずみで買い物袋の口がギュッと閉じてしまう程に肩を竦ませ一気に身体を縮こまらせた。
「あ…すまない、驚かすつもりはなかったんだ」
「う、うん、そうだよね、わかってる、わ、私こそ大きな声出してごめんね。
そ、そういえばイグニスこそ何買ったの?」
「オレは、伯父さんや警護隊の先輩へのお土産と…まぁ後は自分用だったり、色々だ」
しどろもどろになりながら返事をするグレイスを横目に、青信号に合わせ車を再度発進させる。
オレの買った土産物を聞かれ、グレイスの為に買ったパーカーを渡せる日を思うと『どんな反応をしてくれるだろうか』と年甲斐もなく心が逸る。