【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第22章 FINAL FANTASYワールド
「イグニスは? 何か買わねーの?」
「ん? オレか…そうだな、折角だし何か形に残るようなものを…」
目の前の商品棚とは全く違う方向を向いていたところに声を掛けられ、慌てて前を向く。
買うなら日常的に使えるような物をと思うが、ここの文房具を仕事で使うには少し気が引けるし…何が良いだろうか…
「あ、じゃあイグニス! オレと一緒にこのペアチョコボストラップどーぉ!?」
「いや…すまないプロンプト。
そういうものは出来ればオレはグレイスと付けたい」
「たはーっ! デスヨネー!」
普段からノクトの良い友人としていてくれて、今日の予定を組んでくれたり、朝から色々と気を利かせてくれたことには本当に感謝しているし、
キラキラとした目でこちらを見つめてくるプロンプトの願いを叶えてはやりたかったが、さすがにそれはオレもパスさせてもらいたい。
周りを見てみると、二つ隣の棚がタオルコーナーになっているのが目に入り、その中に全体が柔らかいトーンのグリーンになっていて、そこに細いホワイトのストライプが入り、隅にワンポイントでカーバンクルの刺繍が入ったフェイスタオルがディスプレイされているのが見えた。
「オレは、あのタオルにしよう」
これなら訓練の時に使っても目立たなさそうだし、何よりグレイスの好きなキャラクターモチーフなのが良い。
「オッケー、じゃあ次はあっちのお菓子コーナー行こ~」
すぐ隣のエリアには、こちらもまた見た目にも可愛らしい容器に入った菓子が行儀良く陳列されていた。
伯父さんへのお土産に何か良いものはないかとオレも一緒になって探していると、既にカゴにいくつか商品を収めたプロンプトに
「イグニス、オレちょーっと違うところ見てきたいから、ノクトのことよろしくね~」
と声を掛けられ了承した後、何気なく先程までいた場所へ視線を向けると、カーバンクルのパーカーを手に取り、にらめっこするように悩んでいるグレイスの横顔が目に入った。