【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第4章 遭遇
耳に、自分たち兄妹への愛情をたっぷり含んだイグニスの声が優しくそっと届く。
その言葉はまるで私の気持ちを代弁してくれているかのようで。
泣きすぎてうまく声が出せない私は、イグニスの腕の中でこくこくと頷いて返事をする。
「きっとその気持ち、届いてるよ…」
「早く元気になって、帰ってきてほしいね…」
一際ぎゅっと腕に力を込めて伝えられたその言葉に、私の願いも込めて「うん」と何とか一言だけ応えた。
それからもう一つ、イグニスに伝えたい言葉を何とか紡ぐ。
「いぅにす…ひっく、っく…来てくれて…ぐす…ありがとぅ…」
あのまま一人でいたら、経験したことのない大きすぎる悲しみと不安で、どうかなってしまいそうだった。
イグニスにとっても、ノクトお兄ちゃんの安否は自分の人生を変えるくらい重要なことなのに、こうして私のことも心配して駆けつけてくれてありがとう、
私の胸の内を理解して、共感してくれる人がここにもいると教えてくれてありがとう…
色々と伝えたいことはあるけれど、今口に出せるのはあれが精一杯だった。