【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第4章 遭遇
「当たり前だよ…グレイスのことも、ノクトと同じくらい大切なんだから…」
そう言って、密着した身体はそのままに、イグニスは顔だけ傾けてそっと頬にキスをしてきた。…『だいすき、のちゅー』だ。
「涙でいっぱい濡れちゃってるから、しょっぱいな」と耳の真横で囁く声がくすぐったくて少しだけ身を捩ったけれど、またすぐにイグニスにきつく抱きしめられた。
その腕の力強さと、イグニスの体温に少しずつ心が落ち着くのを感じながら、私もイグニスの頬に唇を重ねる。
『ありがとう、だいすきだよ』って気持ちが伝わればいいなと思った。
その後、私の涙としゃくり上げた呼吸が止まるまでイグニスがずっと抱きしめてくれた。時々背中を撫でながら。
それはかなり長い時間、だったと思う。
でも、私の部屋にいたメイドが必死に存在感を消しながら、居場所なさげに視線をさまよわせていることに気付いたのはもっと後になってのことだった。…ごめん。