【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第4章 遭遇
「グレイス! グレイス、いるか!?」
ノクトが怪我をした、しかもそれは家族にも面会を許可できない程ひどいと聞いてオレは一気に背筋が凍る思いがした。
それと同時に、難を逃れ、一人残されているグレイスのことが心配になり、家を飛び出し一目散にグレイスの部屋へと飛び込んだ。
「イグニス…
ラケルが…ノクトお兄ちゃんが…」
そこには、不安と悲しみの感情をありありと浮かべるグレイスが一人ソファーに腰かけていた。
不安に飲み込まれそうなその身体は、いつも以上にか弱く小さく見え、『ここのソファーはグレイスの身体に対してこんなに大きかったか?』と錯覚を覚えさせる程だった。
一目見てわかる程に泣き腫らした目からは、それでもまだ大粒の涙を溢しており、
ふと目線を下に落とすと、グレイスはノクティスが特別気に入っている星の図鑑を必死に抱きかかえながら泣いている。
それを見た瞬間、オレは近くにいるメイドの目も憚らずグレイスを思い切り抱きしめた。
すると、すぐにグレイスの腕も縋るようにオレの背中へと回り、しゃくり上げながらより一層大きな声で泣き出した。
お互い心に余裕がなく、目一杯力を込めて抱きしめあっていたせいか、図鑑のハードカバーの表紙が腹部に当たっていささか痛くなってきた。
そっと横から手を入れてその図鑑を抜き取り、互いの間の隙間を埋めるようしっかり抱きしめ直してから、オレはぽつりぽつりと話し始めた。
「グレイス…一人で心細かったよね…」
「図鑑…、ノクトが一番好きな星の図鑑だね」
「ノクトのことを想って抱きしめてたの…?」