【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第22章 FINAL FANTASYワールド
そう言われ、やはり気付かれたか…と覚悟を決めて画面を見ると、そこには見慣れた男の顔がドアップで映し出されていた。
だが…ノクト、ではなかった。グラディオだった。
しかも、『モーグリの里 指名手配犯』の赤枠付きで。
「…はぁ!? オレかよ! しかも指名手配犯って何だよ!?」
『しらばっくれないでほしいクポ!
この大きな身体…前にモーグリの里に忍び込んで、モグ達の大好物クポの実を食い荒らした犯人に間違いないクポ!
モーグリ大好きなみんななら、見たことあるクポよね!?』
『あるある~!』
グラディオの隣に座っているプロンプトはすでに腹を抱えて大爆笑していたが、モーグリの声かけに、ノリの良い観客が合いの手を入れたことによって、場内でドッと笑いが起きた。
「あは、あはははは、ぐ、グラディオが食い散らかし犯人って…!
しかも今、ちょっと怒った顔して映ってるから余計悪人顔に…あはは、お腹痛い…!」
「ふっ、全くだ。ありえそうな人物を選ぶ辺り、センスが良いな」
さすがにグラディオの方を直視して笑うのは気が引けたのか、グレイスがオレに身を寄せながら声を上げる。
この後しばらくモーグリからのグラディオイジリが続き、それに対してグラディオも言い返したりするものだから、終始大笑いしながらアトラクションの時間を過ごした。
外に出てすぐプロンプトが
「今の超面白かったよね!? 腹いてー! もう一回入る?」と声を掛け全体的には賛成の空気だったのだが、
「オレは行かねぇぞ! 絶対に、だ」
というグラディオの反応で、残念ながら一回きりのアトラクションとなってしまった。