【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第22章 FINAL FANTASYワールド
周りの楽し気な雰囲気とはやや場違いの分析をしつつも、目一杯腕を伸ばしてキャラクター達に手を振るグレイスの楽しそうな様子を盗み見て、オレはオレなりにパレードを楽しんでいた。
パレード最後尾のカートが遠ざかっていくのを名残惜しそうに眺めているグレイスの顔を見ると、また連れてきてやりたいと思うし、
今度来る時は二人きりで、このもどかしい距離感を解消して来たいと強く願った。
パレードの後は、再びシフトパスを活用しながら人気のコースター系アトラクション等を巡り、広い園内をあちこち歩き回った。
「グレイス、大丈夫か? 歩き疲れていないか?」
「ありがとうイグニス、今日スニーカーだし全然平気だよ!」
満面の笑みで答えるグレイスの表情に、どうやらムリをしている様子はなさそうで一安心する。
確かに歩いている間にも、あちらこちらにあるデコレーションや、キャラクターにちなんだモチーフが園内に散りばめられているので退屈しないし、目にも楽しいのだろう。
「ねぇねぇみんな! このシアター系アトラクション結構面白いって友達から聞いててさ! 入ってみない?」
「あ、これ私も行きたいと思ってたの! プロンプト、思い出させてくれてありがとう!」
「どういたしましてイリス。モーグリに話しかけてもらえるといいね」
プロンプトとイリスが案内する方向についていくと、どうやらこれはモーグリとの会話を楽しむ際に、来園者の顔が画面に映し出されるもののようだった。
「ノクト、グレイス、入るのは構わないが万が一ということがある。あまり顔が見えないように気を付けろよ」
「はいよ」
「うん、わかった」
ノクトは今朝ショップで購入したサボテンダーのキャップを深く被り直し、グレイスは普段持ち歩いている使い捨てマスクをバッグから取り出して着用した。