【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第22章 FINAL FANTASYワールド
「…はー…、オレ何とか落ち着いてきたかも。
プロンプト、グレイス、行けるか?」
「うん、なんとか」
「一応…」
ベンチでの休憩を挟み、調子が戻ってきたところで時間を確認すると、最初にシフトパスを取ったアトラクションの乗車時間が近くなっていることに気付く。
「あ、そろそろ『チョコボのギザールハント』の時間だよ、移動しよっか。
イグニス、支えててくれてありがとうね」
「あぁ、もしまた辛くなった時はすぐに言うんだぞ。
それとグレイス、忘れ物だ」
(忘れ物?)と不思議そうな顔をしていると、 ぽす と頭にカーバンクルのカチューシャを付けられた。
「これだ。今日はオレとお揃い、してくれるんだろう?」
「あっ…うん、そう、です…」
「ふっ、どうしたグレイス、なぜ敬語なんだ」
髪を撫でられながら、至近距離でそんなことを言われて見つめられて、ドキリとした勢いで敬語が出てきてしまった…うぅ、頭回ってなくてついうっかり…。
当然そんな些細な変化でさえもイグニスが見逃す訳なく、くつくつと笑われながらツッコまれた。
「まっ、間違えただけだもん! ほらもう行こう!?」
照れ隠しに勢いよく立ち上がり、目線を外す。
すると、普段は見ることのない、イグニスが立ち上がった私を見上げる為の不意な上目遣いと、その上に揺れているお揃いの耳がよく見えて、初めての景色にまた少し胸が高鳴った。