【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第22章 FINAL FANTASYワールド
あまりのクオリティにぽかんと呆けている私を他所に、イグニスは早くも的確に狙いを定めてスコアを伸ばし始めていた。
(さ、さすがイグニス、早い…!)
私も負けじと銃を構える…けれど、自分の銃がどこを狙えているのかイマイチよくわからない!
たまに偶然当たって得点が入っているものの、手元に表示されるスコアは現時点で300点と微々たるものだった。
「…おや、どうしたグレイス。あまりスコアが伸びていないようだが」
「えぇん…だって、みんなの赤い光があちこちに当たってて、どれが自分の銃のものなのか全然わかんないんだもん…」
そういうイグニスのスコアを見て、既に2万点に届きそうな彼のハイペースに私は思わず目を疑った。
「…えっ!? イグニスすごっ!! どうなってるの!?」
「どうって…普通に狙って撃っているだけだが」
すると、イグニスは自分の銃から手を離し、私の後ろへと腕を回し、背後から一緒に銃を構え始めた。
「えっ、何!? 近い、急に近いって…!」
「あぁすまない、グレイスに狙い方を教えようと思ってな。
他意はないんだ、一旦真っ直ぐ前を向いてくれるか?」
「う、うん…」
耳元で聞こえる大好きなイグニスの声にそわそわしながらも何とか前を向く。
「いいか? 今回はわかりやすいように近くにあるあの黄色い宝石を狙うぞ。
こうやって自分の視線と真っ直ぐになるように銃を構えて…撃つ。
…ほら、得点が入っただろう」
手元のスコアボードを見ると、確かに400点と表示が変わっていることに驚く。
「わ…! 本当だ! ありがとうイグニス!」
「どういたしまして。
どれが自分の銃の光か見分けるのは難しいからな、目線と狙う方向を合わせると当たりやすいぞ。
あと、宝石の色によって得点が違って、赤が高得点のようだ。余裕があったら狙ってみると良い」
「うん! やってみる!」