第22章 FINAL FANTASYワールド

「ねぇプロンプト、最初に行こうって言ってたの、あれじゃない？
ほら、『カーバンクルのルビーの光』って大きく書いてある」

「あっそうそう、ここだ～！

あのさあのさ、これシューティングゲームでスコア競うアトラクションなんだけど、勝負しない？

一番スコア低かった人が、全員分の飲み物奢るってことでどーお？
あ、グレイスとイリスはその罰ゲーム免除で良いから安心して」

「面白そうだな。容赦しねーぞ」
「オレも乗るぜ。プロンプト、後で吠え面かくなよ」
「いいだろう。オレも容赦はしない」

「わーい、ありがたくいただきまーす。

イグニス、頑張ってね」

「あぁ、任せろ」

こっそりイグニスにだけ応援メッセージを送る。
イリスだけじゃなく、私も罰ゲーム免除にしてくれたのはラッキー、プロンプトありがと！

「えーっと…このアトラクションは二人乗り、か。

んじゃイリス、オレと…」
「ノクトー！　私と一緒に乗ろー！！」

グラディオがイリスに掛けた声に上書きするように、勢い良くイリスがノクトお兄ちゃんを誘いにいく。

（おぉ…イリス、積極的…！
多分だけど、イリスはノクトお兄ちゃんのこと好きだと思うんだよね…）

「あはは、グラディオ兄さん振られちゃったねー。
じゃとりあえず…ここはオレと乗ろっか」

グラディオの上げた手の行き場が無くてちょっとボーゼンとしてるところにプロンプトが助け船を出し、肩を叩いて連れていく。

ふふふ…、笑っちゃいけないんだろうけど、定番のコント？　ラブコメのワンシーン？　みたいでちょっと面白い…。


…あ、ということは私イグニスと二人で乗るんだ。ちょっと嬉しいな。