【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第22章 FINAL FANTASYワールド
全員思い思いの耳や被りモノを付けて園内を進み、皆それぞれのタイミングで景色を撮ったり、モニュメントを背景に撮影をしあったり、自撮りをしたり。
そのタイミングでオレもグレイスを写真に誘った。
「グレイス、せっかくのお揃いだ。2人で写真を撮ろう」
「うん! 私もイグニスと撮りたいと思ってたの!
ん? …あはっ、ねぇねぇイグニス、もっと屈んで? これじゃ一緒に入らないよ!」
「そ、そうか…これくらいで良いか?
では撮るぞ」
オレは自撮りモードに切り替えたスマートフォンを手に、不慣れながらも腕を伸ばしたり角度を変えたり…何とか構図を調整した。
イースターの大きな卵を背景に、満面の笑みのグレイスと寄り添う2ショットを収めることが出来て、我ながら良い写真が撮れたと思う。
絶対に消えないようにロックをして、念の為帰宅後パソコン用メールアドレス宛にも送って保存しておこう。
「私にも見せて見せて? …わっ、いい感じに撮れたね〜!
私のスマホにも送ってー!」
「あぁ、わかった。少し待っていろ」
そして、メッセージアプリから画像を送った辺りでノクトからそろそろ行くぞ、と声を掛けられ再び歩き出す。
「なぁプロンプト、そのチョコボの被りモノ暑くねーの?
つーかお前それ被んなくても元から髪型チョコボっぽいじゃん」
「大好きなチョコボになれるなら暑くない!
てか元からチョコボっぽいって何!? いつも気合い入れてセットしてるオレの頭がチョコボ頭だってこと!?
う、う~~~ん…嬉しいような、そうでもないような…複雑な気分…」
道中ノクトとプロンプトの軽いやりとりを聞きながら、待ち時間を大幅に短縮出来るというシフトパスなるものを取りつつ目当てのアトラクションを目指す。
園内の所々にあるフォトスポットや季節イベントに合わせたデコレーション、時折現れる人気キャラクター達に来園者の多くは目を奪われ、他の来園者グループに意識を向けることはほとんどなさそうだ。
人混みを心配してはいたが、入り口で手荷物検査もあるし、ここは意外と王子たちの存在に気付かれる可能性も低くて良い場所なのかもしれないな。