【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第22章 FINAL FANTASYワールド
レジで値札を切ってもらい、人生初となるカチューシャを頭に付ける。
(これは…これで良いのか…?
若干眼鏡のフレームに当たるのが気になるな…)
「イグニス、どう? 付け方わかる?」
付け方や付ける位置に手間取っていると、後ろからグレイスに声を掛けられる。
グレイスの頭には既にカーバンクルの耳が付けられており、その姿は予想通り…いや、予想以上に可愛らしかった。
(ふふ…大きな耳がまるで愛玩動物のようで愛らしいな)
「一応、付けてはみたんだが、これで良いのだろうか?
カチューシャが眼鏡のフレームに当たってしまうのだが」
「あ、それは気になっちゃうね。
んー…そうだ、少し屈んでくれる?
こう…ちょっと斜めに付けてみたらどう?」
グレイスが微調整しえくれたお蔭で違和感が消え、納まりが良く付け心地が良くなった。
「あぁ、これなら眼鏡もズレずにすみそうだ。ありがとう。
それにしてもグレイス、その耳すごくよく似合っていて可愛いな。
なんというか、こう…撫でて愛でたくなるような感情が湧いてくるよ」
屈んだままの姿勢で見つめながら、カチューシャと一緒にグレイスの髪を撫でてやると、少しくすぐったそうにしながらグレイスが笑みを零す。
「ふふっありがとう、ペットみたいな感じ?
イグニスも…イグニスの綺麗なグリーンの瞳と、その耳の柔らかいグリーンがリンクしてて…すごく素敵。
ほら、鏡見て?
イグニスが同じものを選んでくれて、私本当に嬉しいよ」
鏡越しに幸せそうに目を細めるグレイスと目が合って、オレの心にもじんわりと幸福感が広がり、自然と目元が綻ぶ。
「あぁ…オレもだ」
言葉は少ないものの、そこに感情をしっかりと乗せてそう返せば、オレの気持ちを受け取ったかのように鏡の中のグレイスがより一層の笑顔を見せてくれた。
(本当に幸せ、だな)