【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第22章 FINAL FANTASYワールド
「あ、グレイスも決めてきてたんだ?
オレもオレも! オレは絶対チョコボの被りモノって決めてたんだよねー!」
「私はモーグリにする! 兄さん、取って!」
「んじゃオレはサボテンダーのキャップにすっかな。一応顔隠せるし」
「ほらよ、イリス。
ノクトにしちゃいい心がけじゃねぇか。
…お、こっちにはベヒーモスの角があんのか。オレはこれに決めたぜ」
「みんな決めるの早いね~!
…あれ、イグニスは? どれにすんの?」
次々と選んでいく友人達の様子を後ろで眺めていると、プロンプトから不思議そうに声を掛けられた。
「オレか? いや別にオレは何もなくて…」
「え~!? イグニス何言ってんのー! ここ来たら何か頭に着ける! これジョーシキ! いや最早礼儀、だよ!?」
「そ、そうなのか…?」
着けてない人も普通にいたと思うが…あまりの勢いに加え、皆も何かしら選んでいる手前否定しずらい。
「そ~だよー! 何かお気に入りのキャラクターとかいない?
いないんだったら…あ、グレイスとお揃いの耳にすればいいじゃん」
グレイスとお揃いの…って、あの大きな耳をか!?
「いや、いくらなんでもオレには可愛すぎて似合わないだろう…」
「んなことないって! イグニス笑顔優しいから似合う似合う!
それにグレイスもイグニスとお揃いだったら嬉しいんじゃない? ねっ、グレイス?」
さすがに嫌がるし断るだろう…プロンプトやノクトのような中性的な顔立ちの男ならまだしもオレではな…
「えっ、お揃い? …うん。もしイグニスが一緒に着けてくれるなら…私、お揃いすごく嬉しいよ」
…と思っていたのだが、オレの予想に反してプロンプトの問いかけに一瞬驚きつつも、それ以上の喜びと期待を滲ませた瞳でオレを見つめてくるグレイスと目があった。
(そんな顔をされたら、断れないな…)
「そ、そうか…。
まぁ…グレイスがそう言うなら、同じものにしよう…」
予想外の返答に少々困惑しながらも、グレイスが喜んでくれるなら別のものを選ぶ理由も必要もない。
「じゃこれで全員決まったねー!
会計して、早速アトラクション行こ!」