【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第22章 FINAL FANTASYワールド
開演時間になり、手荷物チェックと金属探知機ゲートをくぐって園内へと入ると、そこには見慣れたキャラクター達があちらこちらに姿を見せて出迎えてくれていた。
それに、今はイースターというイベント期間らしく、可愛らしいウサギやカラフルな卵を使ったデコレーションがそこかしこに施されていて、それを見たグレイスは「わぁ~…! キャラクター達も、園内も、どこ見てもかっわいい~!」と目を輝かせていた。
「ねぇねぇイグニス、あっち見て! モーグリ達が並んでお散歩してる!
頭のポンポンが揺れてて癒される〜」
気分が高潮しているのか、オレの服の裾をクイクイと引っ張りながら年相応にキャッキャと楽しそうに笑うグレイスを見て改めて連れてきて良かったと思うし、その笑顔を見れたオレ自身も嬉しくなった。
キャラクター達を写真に収めたり、エントランス周辺のフォトスポットでいくつか記念撮影したところで
「よぉ~っし、ココ来たらまずは最初に耳買うでしょ、耳!」
「もちろん! 絶対つけたいと思ってたー!」とプロンプトとグレイスが言い出した。
(耳? 耳を買ってつけるとはどういうことだ?)
警備上の問題がないよう園内の施設や配置については完全に頭に入れてきているものの、いまいちその意味を理解出来ていないオレを他所に、
俺とは異なる意味で園内マップを予習済みの二人は「こっちのお店だよ~」と先立って歩いていく。
後をついて店内に入ると、そこには壁面いっぱいにキャラクターが描かれたTシャツやキャップ等がかけられていて、その中にキャラクターの耳や角などの特徴的なパーツがつけられたカチューシャ型の商品もあった。
(あぁ、確かに入園を待つの列の中にも、頭にこういうのを着けた来園者達が大勢いたな)
ようやく耳の意味を理解したところで
「私はコレ! カーバンクルの耳! 絶対これにするって決めてたんだー!」
柔らかい緑色で、大きくピンと張った耳がついたカチューシャを手にしたグレイスの声が聞こえてきた。
(グレイスがあれを着けるのか…きっと似合うだろうな)