【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第21章 新生活
そうして、約束の五月の連休の日の朝。
イグニスは他のみんなが来るより大分早い時間から来てくれて料理を手伝ってくれている。
何せ五人分、しかもその内四人は食べ盛りの10代男性ともなると用意する量も相当なのでどうしたって手間がかかるから、そういう意味でも素直に頼ってよかった…!
二人で慌ただしくも楽しく準備していると、来客を知らせるチャイムが鳴る。
「ごめんイグニス、ちょっと行ってくるね」
チャイムの音は玄関ドアからのだった。モニターを見れば、ノクトお兄ちゃん、プロンプト、グラディオ三人の顔が見える。
一旦先にノクトお兄ちゃんの家に集まってから来たのかな。
「いらっしゃい」と玄関を開けると、満面の笑みを浮かべたプロンプトと目が合った。
「グレイス、お邪魔しまーっす! 今日はお招きありがとねー!」
「私も楽しみにしてたからこちらこそだよ~。
さ、入って入って」
「はーーーい!
わ、玄関にお花飾ってある~! 入口からしてノクトの部屋とは全然違うね!」
「はっ、確かにすーぐゴミ屋敷になるノクトの家に花は似合わねぇな」
「うっせ。オレは花より飯なんだよ、飯」
「プロンプトよく気付くね、そういうの女の子喜ぶよ」
って、実はそれ、ちょっと前にイグニスが来る時の為に用意したお花の残りなんだけどね…あはは。
リビングに案内すると、プロンプトが一際大きな声を上げる。
「えーっ!? ここ、ほんとにノクトとおんなじ間取り!?
ぜんっぜん違って見えるんですけどー!!
うわ~色使いとか全体の雰囲気が可愛いね~。
ほんっとまさに女の子の部屋って感じ!」
「そ、そう? ご期待?に添えて良かったよ」
何かやけにプロンプトのテンション高いなぁ。
『女の子の部屋』ってそんななるもの??
「こらプロンプト、女性の部屋をそんなにジロジロと見るものじゃないぞ。
もう少しで料理も出来上がるから、先に洗面所で手を洗って来たらどうだ。ノクト、場所を案内してやれ」
「あ、ごめん、女の子の部屋って初めてで、ついついテンション上がっちゃった…」
「へ~い」
興味津々という様子で部屋の中をきょろきょろと見渡すプロンプトにぴしゃりとイグニスが注意をしてくれる。
確かにあんまりにもじっくり見られると気恥ずかしいから助かったかも。