第21章 新生活

私が一番選びたい道は…

イグニスとも一緒にいたいし、
ルシスも、お父さんやノクトお兄ちゃんの未来も守りたい…両方を叶えられる道。

イグニスから真っ直ぐに向けられた気持ちを受け取って、ようやくそう思えるようになった。

でも…ルシスを取り囲む現状を好転させられる自信が私にはまだない。
これは今まで自分の人生の犠牲でどうにかしようと考えてきたツケなのかも…。


それに、王女という立場を考えれば個人の幸せと、国のより確実な未来や人命を比べたら当然後者を優先するべきで、ここで結局いつも堂々巡りになる…。

『願うもの全てを手に入れたい』と思うなんて、そもそも傲慢でおこがましい考えなのかもしれない。



「はぁ…」



どうにも答えの出ない閉塞感と、覚悟の決められない自分に嫌気がさして気が滅入りそうなところだったけど、
すぐ近くの日にちにみんなで集まって楽しめる予定があるのは本当にありがたく、心の支えになった。