【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第21章 新生活
玄関ドアが閉まった後、少し間を置いてから静かに内鍵を掛け、リビングへと戻り、日中イグニスと並んで座ったソファーにダイブした。
ボフン! と勢いの良い音はしたけれど、当然あの時みたいなイグニスの温もりやニオイは感じさせてくれなくて、寂しさが募る。
「イグニス……ぐすっ…、好き、だよ…」
(今日、すごく幸せだったな…
でも、それと同じくらい、歯痒くて…切なかった)
このソファーでした久しぶりのハグも、本当は「まだ、もっと」って言いたかった。
イグニスがくれた言葉にもっと素直に喜びたかった。
イグニスにも、素敵なところ沢山あるって伝えたかった。
二人で会うことだって、特別な理由なく「会いたいから会おうよ」って誘いたい。
帰り際だって、したいことも言いたいこともいっぱいあった。
ぎゅってしながら、「またすぐ会いに来てね」「好きだよ」って言いたい。私からだってキスしたかった…。
こんなこと思うのも、今日のイグニスがいつもと違ったから…?
これまで隠していた胸の内や愛情をたくさん教えてくれた。
イグニスが、昔からずっと好きでいてくれたことを今日知った。
イグニスが過去に『グレイスにはもっとふさわしい人がいる』と言った真意を聞いた。
そんな風に私の気持ちを遠ざけようとしてまでイグニスも長い間葛藤していたけれど、それでも堪えきれず気持ちを伝えてくれた。
告白の時『どうしようもなく好き』と言ってくれたのには、そんな理由が含まれていたんだ。
「はは…っ、全然気付かなかったなぁ…。
イグニスってばいつも二言目には私のこと妹っていうんだから…」
随分すれ違って想いを募らせてたんだなぁ…
「うぅっ……ひっく…、っく、イグニスと、一緒に…いたい…」
私が他国へ行くまでの期間限定じゃなく、ずっと。
こんな、友達以上恋人未満みたいな中途半端な関係じゃなくて、ちゃんと恋人同士で…。