【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第21章 新生活
そんな自分の欲求や寂しさを紛らわすように「イグニスの靴、いつも綺麗に手入れしてるよね」なんて雑談を投げかけた。
「細かいところに気付いてもらえるのは嬉しいものだな。
見だしなみの一環ではあるが…グレイスに会う時は特に、だ」
「だから毎回そういうこと言うのズル…
…ううん…ありがとう、嬉しいよ」
「はは、こちらこそだ」
そう言いながら幸せそうに笑ってくれているイグニスの表情を見て、少しは素直に言えて良かった、って思えた。
これも、イグニスが今日一日でたくさんたくさん真っ直ぐに愛情表現してくれたおかげ。
「それじゃあ…オレはこれで帰るが、戸締りはしっかりな。
おやすみ、グレイス。…ちゅっ」
「うん、イグニスこそ気を付けて帰ってね…おやすみ」
当然のように手を取りキスをしていくイグニスの仕草も、
唇の感触も、温度も、去り際の声も表情も、
ほんの少しも見落としたくなくて、瞬きも忘れる程見つめて見送った。