【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第21章 新生活
はぁ…レシピを一緒に見ていたところから何がどうして抱きしめあったり、敬愛のキスをされるに至ったんだか…予想外の展開が続き過ぎてわけがわからなくなりそう…。
ちゃんとここからは今日の本題の料理に集中しよう。
イグニスと二人、キッチンへ向かいそれぞれまず手を洗う。
…さっき、イグニスにキスされた所を洗うことに何も思わなかったと言えばウソになるけど、とにかく今は気分切り替えて集中集中!
「まずは時間かかりそうなニンジン入りパンから始めよっか。
必要な材料と道具は揃えてあるから」
「そうだな。最初は…ニンジンをみじん切りとすりおろしたもの両方を用意して、それをバターでソテーするのか。
懐かしいな…二人で初めて一緒に料理した時もニンジンを使ったものだったな」
「そうだったね、あのニンジン入りクッキーのレシピ見つけた瞬間、二人で『あ!!』ってなったの今でも覚えてる~」
そんな昔話をしながらそれぞれが材料をカットしたり、計量したりテンポ良く進めていく。
「よし、みじん切り出来た! 次はすりおろしね」
おろし器に手をかけて、ぐっと力を入れようとした瞬間、自分の手を後ろから大きな手に包まれてハッとする。
「ほら、一人じゃ危ないだろう? 一緒にやろう」
「えっ!? や、イグニスってば心配しすぎだよ…?
あの頃みたいに力弱くないから、これくらい一人で出来るよ…!」
「実際はそうなんだろうが…一応これは、従者として王女をケガから守るという理由があるからな。
まぁ実際はオレが一緒にやりたいだけなんだが…
いいだろう? ほら、動かすぞ」
「あっ、ん、もぅ…。
…何か、今日のイグニス積極的だね…?」
今のイグニスは、私の背中に自分の身体をぴったりくっつけて、まるでバックハグしてるみたいに密着してきている。
こんなに近付かなくても絶対腕届くと思うんだけど…!
「そうだな…。
去年のノクトの誕生日以降、シフトの練習で別行動になったり、グレイスも進級試験や引っ越しで忙しくて二人で何かするという機会がなかったからな。
理由にかこつけてグレイスに触れたくなるというものだ」