【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第21章 新生活
「…~~~ッ!! だからイグニスはほんとズルいんだって…!」
前触れなく、どこかの王子様もびっくりの内面から溢れる品を漂わせながら畏まった言葉遣いをされると、急にお姫様扱いされた感が強くて照れてしまう…!
もう、これじゃどっちが王族かわからないよ…。
「ズルい? オレはただ、グレイスに言われたように目に見える形で気持ちを伝えたかっただけなんだが…この敬愛のキスもダメか?」
「うぅ…ダメ…じゃないよ…。
嬉しかったよ、ありがと…ただ不意打ち過ぎてそう言っちゃっただけ…」
「そうか、なら良かった。
…ちゅっ。これからはこうして沢山気持ちを伝えさせてくれ」
そう言って、再び私の手にキスを落とす。
黒縁の眼鏡フレームの奥に覗く、伏せられた長い睫毛が描くカーブの繊細さと、手を取り口づけるその仕草が相まってとても絵になっていて…何て言うか…えっと…
「イグニスって…ほんと、スタイリッシュだよね、昔から。
イグニッシュだよ、イグニッシュ」
「いぐにっしゅ? 何だそれは」
「そのままだよ、イグニスにスタイリッシュ足したの。
レディーファーストとかのスマートな振る舞いや、王子様っぽい仕草や言葉遣いがすごく自然に出来るし、とっても良く似合うから」
「それはそれは、光栄です。
グレイス王女のご期待に沿えるようこれからも精進致します。
ちゅっ」
「ち、ちょっと! いくら手へのキスはOKしたからって、さっきから息するようにキスし過ぎ!
もう! そろそろ料理試作しよ!?」