【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第21章 新生活
「わ、え…ちょっとイグニス何して…」
「ん? ぽかぽかと悪さをする両手はこうして閉じ込めておかないといけないと思ってな。
理由があればハグしていいはずだったよな?」
「あ、またそんなこと言って…。ダメだってば…はな、して…」
「そうか…ダメか…」
そう言ってそっと私を抱き起し、その後にイグニスも身体を起こす。
イグニスの両手は私の腰に回したまま、キスが出来そうな距離で真っ直ぐに見つめてくる。
「では聞き方を変えよう。
イヤ、ではないか? イヤならもうしない。
…どうなんだ?」
「え……それ、は…………
イヤ…じゃ、ない」
「ありがとう、グレイス…」
私のこの返事を聞いた途端、眉間と眼にぎゅっと力の入っていたイグニスの真剣な表情がふわっと柔らかくなり、口元が大きく緩んだのがハッキリと見てとれた。
もう…こっちまでつられて笑顔になっちゃいそうな嬉しそうな顔。
こんなイグニスが見れるなら、今回ばかりは素直に答えて良かった、よね。
私だって、イグニスを傷つけるようなイヤだなんて嘘はつきたくなかったから。
そうして、イグニスはとてもとても幸せそうに目を細めて、再び私を腕の中へと閉じ込めた。
…ううん、閉じ込めて、くれた。