【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第21章 新生活
「いや…す、すまない…。
グレイスを見たら耳まで真っ赤っ赤で…。あんな些細なことで、こんなに恥ずかしそうにするグレイスが可愛らしくていじらしいな、と思ってな…ふ、はははは」
その言葉を聞いて、また一気に顔に熱が集まる感覚が起こり、恥ずかしさのあまり軽くグーを握ってイグニスの肩や胸辺りにぽかぽかとぶつける。
「う、うわぁぁん! 笑うなんてヒドい!
女の子にとっては些細なことじゃないもん!
IQ190超えのくせにそんなこともわからないなんて、イグニスのばか! ばかばか!!」
「いたた…いや、だから腹の音に笑ったわけじゃ…っと、こらグレイス、そろそろその手をやめてくれないか?
…やめないと…」
「…えっ? きゃっ!?」
ボフン!! バサバサバサ…
一瞬の、出来事だった。
ぽかぽかぶつけいていた私の両手首をぱしっ、とイグニスに捕まえられたかと思えば、そのままグイと引っ張られ、
今私は仰向けになっているイグニスの上に、自分の上半身が乗っかる状態になっていた。
二人分の体重を一気に受け止めた大きな音がソファーから聞こえたのと、膝から滑り落ちたレシピブックが床に散らばったのはほぼ同時だった。
あっけにとられている私を他所に、イグニスは私の両手首から手を離し、そのまま私の背中に回してぎゅっと抱きしめてきた。