【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第21章 新生活
二人ソファーに並んでレシピを見せ合いながらいくつかのメニューをピックアップしていく。
「私、今回このニンジン入りパンに挑戦してみたくって。これ、後で一緒に作るの手伝ってくれない?」
「あぁ、ニンジン嫌いのノクトでも食べやすそうな良いメニューじゃないか。やってみよう。
ではパンに合うメニューを選ぶとするか。これや…こっちも良さそうだな」
「あ、これ美味しそう~私も食べてみたいな」
食欲をそそる魅力的な料理が載っているページをパラパラと捲りながらそんな風に会話を楽しんでいると、突然………
くぅ~~~~。
…と、お腹が鳴る音が…。
しかも、まさかの、
私の。
(………。)
いやまままま待って!!???
気まずい! 恥ずかしすぎる!! よりによって何で今!?
ちらりと隣のイグニスを見ると、何事もなかったかのようにレシピを眺めている。
えっ? 聞こえなかった? セーフ? ラッキー?
…なわけない!!
音のボリューム的にも長さ的にも結構立派だったから…。
イグニスのせっかくの気遣いを棒に振ることとわかっていながらも、自分のやらかした感に耐え切れずに聞いてしまう。
「イグニス…今の、聞こえた…よね…?」
「…あぁ」
デスヨネー!!!
あえてなのだろう、レシピから目を外さず、そう一言だけ答えられた。
あぁぁぁぁ恥ずかしい! 顔が熱い! ほんとに!!
居たたまれなくなって両手で顔を隠し背中を丸めて縮こまる。
そんな私の様子を視界の端に捉えてか、イグニスがフォローの言葉を伝えようとしてくれた…
「グレイス、何も気にすることじゃない。
オレだって旨そうな料理の写真を見ていて、腹が減ったなと思っている。
ほら、顔を上げて……ん? これは…ふ、ふふふっ」
「…えっ? なぁに?」
何で今笑ってるんだろう? 何か面白いことなんて、あったっけ?