【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第21章 新生活
翌日、念のためにマスクで顔を隠した私と一緒にヴァニラに家具やピアノの受け取りをしてもらった。
楽器可の物件だったから、趣味のピアノも置けるのは嬉しかったな。
家具の受け取りの合間にカーテンを付けたり、一緒に配送されてきたコップや食器類を洗ったりしていると、だんだんとお部屋の色合いが変わってきて胸がときめく!
「わぁ~グレイス、お部屋すっごく可愛い雰囲気になったね!」
「うん! お城のインテリアが重厚&クラシック! って感じだったから、このお部屋は明るい感じにしたかったんだ~。
明るいグリーンと、柔らかいピンクをメインに、白とか淡いグレーを入れて、春っぽい空間をイメージしたの」
全体的に明るいトーンの家具で揃えられたお部屋は、ノクトお兄ちゃんと同じ間取りのはずなのに、自分でも不思議に思うくらいかなり違う雰囲気に見える。
自分の好きな色を集めたお部屋。
昔…イグニスかくれた花の冠に詰められた、大切な思い出の色のお部屋。
「いいじゃんいいじゃん、これでいつでもイグニス呼べるね」
「う、えぇっ!? ちょっとヴァニラ、何言って…」
お部屋を見渡しながら遠い過去の記憶に浸っているところに、隣りにいるヴァニラから急に爆弾を投げられて突拍子もない声が出てしまった。
そして、一人動揺している私の方へと身体を向けて、あっけらかんと聞いてきた。
「呼ばないの?」